「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」
野球好きの方にとっては、故・野村克也氏のぼやきで有名な松浦静山(まつら せいざん/清とも)の言葉です。
2025年1月末、妻と並んで自宅のパソコンの前に座り、前年11月に実施された行政書士試験の合否を確認したとき、頭に真っ先に浮かんだのがこの言葉でした。
番号、ありました
――ありました。受験番号。
最初は何かの間違いかと思いました。
三度の不合格を経て、とうとう幻覚まで見えるようになったのかと。
正直なところ、あの日は「今年もダメだったな」と確認して、5回目の試験に向けて気持ちを切り替えるための“区切り”のつもりで画面を開いたのです。
試験当日の手応えは最悪。
自己採点もせず、翌日には新しいテキストを購入し、新たな勉強法にも取り組み始めていました。
正月にはこんな書き初めを部屋に貼って、自分にハッパをかけていたほどです。
『皆様のおかげで、2025年度行政書士試験に圧倒的な結果で合格できました。
ありがとうございました。 ハレ山田』
「番号があるんだけど」
妻に伝えると、間髪入れず「……えっ!!」と声が返ってきました。
受験票と合格者一覧を並べて、私の代わりに妻も確認。
何度見ても、やっぱり“あった”のです。
妻は大喜びでした。
義母や私の母にもすぐに電話で報告してくれました。
でも私は、なぜか実感が湧かないままでした。
「あの手応えで?」の謎
140点台くらいかな、という感触でした。
合格ラインは180点。
過去に3度落ちている身として、自分の出来くらいはわかっていたつもりです。
それなのに受かっていた。
正直、実力で勝ち取ったとは思えませんでした。
だからこう言いました。
「よし。今年こそは、気持ちよく合格してやる!」
……と、その瞬間、妻に「もう勉強しなくていいから!」と書き初めごと破り捨てられました。
変な話ですが——
本気で“もう一年勉強して、今度こそ最高の出来で合格を味わおう”と思っていたところでした。
だからこそ、なぜか妙に“喪失感”があったのです。
嬉しいはずなのに、何かが置いてけぼりになったような、変な感覚。
それでも、よかった
行政書士試験を目指すと決めてからの4年間。
文句一つ言わず支えてくれた妻。
日曜に相手できず我慢してくれた子どもや親戚、知人。
その人たちに「合格」と伝えられたことだけは、心からよかったと思います。
もう一度、あの言葉を
冒頭の言葉に、あらためて思いが重なります。
「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」
行政書士試験に合格するには、知識やテクニックだけでなく、“運”も大きな要素だと実感しました。
ある事情から、過去最悪の精神状態で受験することになった今回。
試験中の3時間すら記憶が曖昧で、何がどうして受かったのか、いまだによくわかりません。
でも、ただひとつ言えるのは——
その3時間のために、毎日コツコツ続けた努力は、たしかにそこにあったということです。
最後に
ものすごく勉強して、最高の状態で合格をつかんだ方と比べれば、私はまぐれのような合格だと自覚しています。
それでも、この「まぐれ」は、努力という土台があったからこその“偶然”だったのかもしれません。
だからやっぱり、こう言いたいのです。
勝ちに、不思議の勝ちあり。



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